システムトレードに向かない通貨は、「流動性が低い通貨」と、「地政学的リスクのある通貨」だと考えられます。この2つの通貨は、システムトレードには向かない性質を持っています。なぜならば、システムトレードと相性が悪い、不規則な値動きをしやすい通貨だからです。以下では、その理由について具体的に説明しています。流動性が低いマイナー通貨システムトレードは、マイナー通貨の取引にはあまり向いていません。マイナー通貨とは、南アフリカランドのような新興国通貨のことで、流動性と情報量が少なく、安全性がメジャー通貨と比べて低いと考えられます。マイナー通貨の流動性は低いですから、レートが予想外に飛んだり、スプレッドも広いため約定しにくいというリスクがあるのです。また、値動きが閑散とした通貨では、規則性を超えた動きをするので、システムトレードでは、利益が出にくい傾向にあります。地政学的リスクのある通貨地政学的リスクとは、国が抱える政治的・軍事的な問題が緊迫した局面を迎えることをいいます。例えば、過去に起こったアメリカの「サブプライムローン」が、代表的な出来事です。サブプライムローンが表面化した時には、急激な値動きを伴い、レートが変動しました。そういった場面では、通貨の値動きを予想し難く、突発的な値動きで大きな損失をこうむる恐れがあります。リスクが高すぎる場面では、通貨レートがテクニカルを無視して乱高下しやすくなるのです。そのため、値動きの規則性が高いほど適用しやすい「テクニカル指標」を用いるシステムトレードのストラテジーには、不向きだといえるでしょう。
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